:ことばがほしい

人は、ことばを知ることによって、
そのことばが表すような感情があることを知り、
自分の気持ちも確かめられるようになる。


「ことばがない」。私には私を語ることばがない。
こんなことなら小説を読んでことばを知るべきだった。
こんなことならJ-Popをもっと聴いておけばよかった。

胸の奥で震えてる
光と影を抱きしめたまま
捨てきれない夢を追いかけて
誇り高く愛は蘇る
田村直美『光と影を抱きしめたまま』)

捨てきれない夢になぜそう追い込まれる。
なぜその夢なのか。
「君が教えてくれた、その儚さとその強さを」
私は問いかける。
しかし……その夢の実現のために私は何をやっている?


夢のために努力をしてないなんてそんな単純なことではない。
夢の実現のために、日々飼いならされている私を見つめよ。
夢を実現しようとするほど現実は私から遠ざかる。
夢を実現すること、それは
私から牙をえぐりとり、
私を規範に縛りつけ。


もはや私は、ことばにつまりはじめている。
早急に語りを終わらせなければならない。
いや、正確に言おう、私はことばに迷っている。
自分のきもちがつかめなくって。