日本近世における「教育」に向けられた欲望を分析した3つの文献を読む。そのうち1つは寺子屋に通っていた人々の出身コーホート寺子屋師匠の出身コーホートからそれを分析するもの(『寺子屋と庶民教育の実証的研究』利根啓三郎)、別の1つは諸言説からそれを分析するもの(『藩校と寺子屋』石川松太郎)。いやぁ、それぞれ良く出来た本だと思いました。


 しかしながら言説が社会制度の中でどう戯れ、パフォーマティブに威力を持ったかという視点が前者では欠け、経済的下支えやメディアがどのように「教育」を象ったかという視点が後者には欠け、それぞれ社会を推測する「最後の飛躍」が根拠レスになってるところが…私の課題だなぁ。それ。そしてA氏に紹介してもらった『学校の窓から見える近代日本』はこの2つの問題をどう解決してくれるだろう? と思うと今から楽しみ。明日読みます。