合宿① 社会的なるもの

異なるエージェントがそれぞれの「合理性」でもって動いているの........いや逆に、それぞれの「合理性」で蠢いているからこそ、というべきだろうか? ある「主題」で貫かれた問題が制度やエージェントに作用しながら広がり、ある「主題」がたくさんの人を巻き込むような形で増幅するように........相互増幅するように........見えるとき、私たちはそこに「社会的なるもの」を垣間見ることができる。


「社会的なるもの」を捉えるには、

  • まず「その問題の端緒(どこにどのような経緯で現れたか)」を押さえつつ、
  • 次に「広がった要因の分析(あるレトリックをそれぞれの「合理性」をもって解釈し、あたかも無関係のものがそのレトリックを共有することによって何か共通のものを分有しているように感じる、その過程)」を描ききること

これが大切だろう。


その記述はいわゆる「陰謀論」、つまり観察者の設定した単一の物語にのみ収斂するような語り口を避け、「重層性をもつように」、つまり具体的であるがゆえに多様な意味解釈に開かれているような語り口(=どう解釈されても内容的同一性を持たせることができる語り口)を模索することによって、遂行することができるのではないだろうか。